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2025年10月26日
オオスズメバチ

日本で見られるハチの中で最も強い毒性をもつのがオオスズメバチです。最大では5cmを超え、秋は最も攻撃性が強くなるといわれています。他のハチとは桁違いに大きいこともありますが、近くを飛んでいると羽音だけで分かります。以前、林道を歩いていた時、すぐ近くに巣があったようで大群に襲われたことがあります。興奮したハチは巣から数十メートル離れても、逃げる私を追い掛けてきて恐ろしい思いをしました。運良く刺されはしませんでしたが…。県下では本種を食用とする地域は無いようですが、熊本県や鹿児島県などでは幼虫や蛹を食べる習慣があります。幼虫は大きいので食べ応えがありそうですね。

オオスズメバチ
樹液に集まるオオスズメバチ。撮影していても怖いです!

2025年10月14日
その名も ミミズク!

ミミズクと言えばフクロウの仲間を連想すると思いますが、昆虫にもミミズクはいるのです。カメムシ目ミミズク科で、ヨコバイやウンカに近い仲間。パッと見はニイニイゼミの羽のような模様と形ですが、サイズは1.5cmほどと小さく、特徴は何といっても前胸にある左右の突起でしょう。この突起が、まるで鳥のミミズクにある羽角のように見えることから名前が付けられたとか。ちょっと無理くりな感じですけどね…。せっかくなので顔のアップを撮影しようと、レンズを交換しているうちにピョ〜ンとどこかに飛んでしまいました…。残念!

ミミズク
ミミズク Ledra auditura

ミミズク
ユーラシアワシミミズク 羽角が立派です。撮影協力:サイエンス・ファクトリー

2025年10月12日
山口県周防大島へ

先日、撮影の仕事で山口県周防大島へ行きました。普段から水中撮影の機材を載せて車で移動することが多いので、遠距離移動はフェリーを利用する機会が少なくありません。元々、船に乗るのが好きなこともあり、今回もフェリーを使いました。和歌山港から徳島港までフェリー、徳島から愛媛まで高速、松山から周防大島までフェリーです。海原をのんびりと進むフェリーからの眺めは格別でした。周防大島ははじめてでしたが想像以上に島が大きく、山に自然林が残っていることに驚きました。食べ物も美味しく、つくづく良い島だなあと思いました。「さわやか自然百景」のロケ地が山口県の錦川だったので、昨年から山口県には何度も足を運んでいます。山口県とは縁があるのでしょうね。

周防大島

周防大島

2025年10月8日
匠の聚フォトコンテスト2025 審査会

昨日、奈良県川上村にて、匠の聚フォトコンテスト2025 審査会がありました。今回は審査委員に写真家の瀬戸正人氏をお招きし、百々俊二氏と私の3名で審査をおこないました。近年は組写真で応募される方が増え、バラエティ豊かな作品が審査会場を埋めました。しかし、今回の匠の聚大賞は単写真(1枚)が選ばれました。説明的でなく、1枚で表現された写真の強さのようなものを感じたのです。今回も良い作品が多く、レベルが上がっているように感じました。
入賞作品は匠の聚ギャラリーに展示後、入江泰吉記念奈良市写真美術館などでも巡回展示されます。

匠の聚フォトコンテスト2025 審査会

匠の聚フォトコンテスト2025 審査会

2025年9月27日
プピ男が7歳になりました

セキセイインコのプピ男が7歳になりました!誕生日ということで綺麗にしようと水浴びをしているところです。犬のマーサと並び、我が家のムードメーカーでもあるプピ男。手の上に乗るサイズではありますが、その存在はとても大きくて…。長生きをして欲しいと願うばかりです。

プピ男

2025年9月20日
第1回 国際ウナギシンポジウム in 奄美(その2)

一般講演会では、私は写真をお見せしながら奄美の生き物についてお話しをさせていただきました。オオウナギが陸上で狩りをするシーンやリュウキュウアユ、シノビドジョウについて、ハブなどの爬虫類やアマミイシカワガエル等の両生類にも触れました。講演後の質問も多く、皆さんの「奄美愛」が伝わりました。夜は会場を変えての懇親会があり、最後にはシンポジウムにて最も優秀だった発表者に対しての表彰式がありました。賞状の他に私が撮影したオオウナギの額装オリジナルプリントを3名の方にプレゼント!大いに盛り上がりました。
せっかくの機会なので、翌日は奄美の河川にて水中撮影をおこないました。リュウキュウアユの他、ケンムンヒラヨシノボリも撮影することができ、大満足で帰路についたのでした。奄美はホント、パラダイスです!

国際ウナギシンポジウム
30カットほどの写真を用意してお話しをさせていただきました。

国際ウナギシンポジウム
表彰式の1コマ。脇谷氏は子どもと一緒に参加です。

国際ウナギシンポジウム
リュウキュウアユです。背びれが大きく立派です。

国際ウナギシンポジウム
ケンムンヒラヨシノボリに会えた時は嬉しかったです。

2025年9月18日
第1回 国際ウナギシンポジウム in 奄美(その1)

先日、奄美大島にて開催された「第1回 国際ウナギシンポジウム in 奄美」は、大盛況のうち幕を閉じました。世界12か国からウナギの研究者が70名参加されました。長期に渡り奄美大島で調査をしている東京大学大気海洋研究所の板倉氏、脇谷氏が中心となりシンポジウムが実現した形となります。一般向けの講演会に参加された方も多く、会場は「ウナギ」熱に包まれました。それにしても「ウナギ」という魚は特別な存在なのだとつくづく実感した次第。若手の研究者も多く、人との繋がりを持てたことも良かったと思いました。

国際ウナギシンポジウム
発表を熱心に聞き入る研究者&参加者。

国際ウナギシンポジウム
終了後の記念撮影。これから益々、大きなシンポジウムになっていくと思います。

2025年9月2日
これぞ極彩色!

この夏、撮影をしておきたかった魚の一つがゴクラクハゼです。河川の下流域などにいる普通種なので珍しいハゼではありませんが、このハゼは夏が繁殖期なのです。ハゼ類のオスは繁殖期になると美しい「婚姻色」が発現し、メスに猛烈にアピールします。ゴクラクハゼのオス(正確には優位な個体)は“極美”に大変身するんですよ。和名の「ゴクラクハゼ」の命名は魚類分類学の父、田中茂穂博士によるものですが、恐らくこの婚姻色を見て「極楽」の名を冠したのでしょう。極彩色をまとったゴクラクハゼのオスは、川底でも目立つ存在でした。

ゴクラクハゼ
婚姻色が発現したオス

ゴクラクハゼ
普段は地味な体色をしています

2025年8月27日
寄生虫・ハリガネムシ

水生生物であるハリガネムシが陸上昆虫のカマドウマやカマキリなどに寄生することは有名です。この「針金」のようにクネクネと動く奇妙な生き物が、実はトンデモないことをしている、という研究は実にセンセーショナルでした。ハリガネムシは水中で産卵するために寄生をしている昆虫を操り水辺へと誘導し、最後には水に飛び込ませる、というショッキングな内容。マスコミでも大きく取り上げられたので、ご存知の方も多いと思います。この研究は京都大学の佐藤拓哉氏が中心となって行われており、その現場を見たいと以前から思っていました。そこで先日、彼のハリガネムシ研究の最前線である「京都大学木曽生物学研究所」にお邪魔してきました。まだまだ分からないことも多いそうですが、生き物が自らの繁殖のために編み出した戦略のしたたかさには驚くばかりです。優秀な学生さんたちに囲まれた佐藤君の屈託ない笑顔も昔のままでした。佐藤研究室の皆さん、ありがとうございました。

ハリガネムシ
水に沈んだ枯れ枝を拾い上げると、沢山のハリガネムシが絡みついていました。

カマドウマ
水面のカマドウマ。この時期イワナに食べられるので胃から沢山見つかるそうです。

ヤマトイワナ
木曽のイワナ。いわゆる「ヤマトイワナ」です。

佐藤氏と研究所の前にて
佐藤氏と研究所の前にて。近年はフィールドに出る機会が多いようで、以前より痩せて足取りも軽そうでした。太ったら歩けなくなるよね!

2025年8月15日
淀川のワンドで起こっていること

最近、ニュースなどで「地球上で最悪の侵略植物」として南米原産の「ナガエツルノゲイトウ」が取り上げられています。ちぎれた植物片からも大繁殖をするので、日本各地はおろか世界中で問題になっている植物です。幸い今のところ和歌山県下では見られないため、(本場、というと申し訳ないのですが…)大阪・淀川下流域のワンドへ観察に行きました。ご案内いただいたのは地元でイタセンパラの保護活動などを行っている河合典彦氏。下流域の城北ワンド群を中心に、50年以上に渡りワンドの生き物などを見て来られた、まさに「生き字引」のような方です。
目的の「ナガエツルノゲイトウ」がワンドで大繁殖していると思って行ったのですが、実際には違っていたのです!少し前までは確かに水面をナガエツルノゲイトウが覆っていたそうですが、現在は「オオバナミズキンバイ」という種類があらゆる水域に蔓延っていました。ナガエツルノゲイトウの姿はほとんどなく、ホテイアオイやアゾラでさえ一部に追いやられている印象でした。どのワンドも見渡す限りオオバナミズキンバイで覆い尽くされ、それは異様な光景でした。「地球上で最悪」といわれるナガエツルノゲイトウを抑え込んでしまうオオバナミズキンバイ…。もう恐怖でしかありません。

淀川のワンドで起こっていること
特定外来生物のナガエツルノゲイトウ。各地で猛威をふるっている侵略植物。

淀川のワンドで起こっていること
特定外来生物のオオバナミズキンバイ。中南米原産。この植物が繁茂すると水域の水の色が黒く変色します。どのワンドも水が黒く変色していました。

淀川のワンドで起こっていること
ここはワンドなんです!。赤川鉄橋が見えます。見渡す限りの水域がすべてオオバナミズキンバイで覆い尽くされました。

淀川のワンドで起こっていること
古いお付き合いの河合氏。相変わらずマッチョです。炎天下の中、一日中ワンド群をご案内いただきました。

2025年8月12日
奄美大島での講演

9月12‐15日、奄美大島で初となる「アジア国際ウナギシンポジウム 第1回」が開催されます。若手研究者で作るシンポジウムで、世界中からウナギの研究者が奄美大島に集まります。オーガナイザーは東京大学大気海洋研究所の板倉光氏、同じく脇谷量子郎氏、台湾大学の韓玉山氏です。ウナギ類や回遊性魚類などに興味がある方は是非、ご参加いただければと思います。楽しいエクスカーションも用意されています。私は13日の夕方16:00〜の一般向け講演会にて、ウナギ類や奄美大島の生き物などについて写真をお見せしながら話をする予定です。一般向け講演会は事前予約は不要で、どなたでも無料でご参加いただけます。淡水魚や生き物好きの方、会場の「奄美観光ホテル」にてお待ちしています!

ウナギシンポジウムポスター

オオウナギの調査
奄美大島の河川でオオウナギの調査をおこなう板倉氏(左)と脇谷氏。オオウナギは格好いい魚なんですよね!

2025年8月8日
匠の聚フォトコンテスト2025

奈良県川上村・匠の聚フォトコンテストの作品募集のお知らせです。応募締め切りは9月30日、午後5時必着分まで。多くの賞が用意されていますので、奮って応募いただければと思います。匠の聚大賞の賞金は10万円です!フォトコンテストは各地で行われていますが、これほど多くの賞が用意されているコンテストは無いのでは?と思っています。インスタグラム部門もありますので、お手軽にご応募ください。

匠の聚フォトコンテスト2025

匠の聚フォトコンテスト2025

2025年8月6日
アユの友釣り

このところ、アユの友釣りを撮影しています。「おとりアユ」をナワバリを持ったアユの居る場所に泳がせ掛ける釣りが友釣りです。とても難しく奥が深い釣りとして知られています。撮影に協力していただいているのは森本昇さんという鮎師。撮影に関して、私がこうして欲しい、ああして欲しいという要求はすべて満たしてくれる達人です。このような撮影は釣り人との阿吽の呼吸のようなものがあるように感じます。

アユの友釣り
「おとりアユ」を操って釣る、友釣り

アユの友釣り
釣り上げた良いサイズのアユ。古座川にて

アユの友釣り
お世話になっている鮎師の森本さん

2025年7月28日
「うなぎ」が紹介されました

地元紙の紀伊民報に「うなぎ」(フレーベル館)が紹介されました。ありがたい限りです。知り合いにも購入を希望される方がいらっしゃいましたが、「しぜん キンダーブック」は年12冊から成る定期購読本なので、バラでの販売は出版社・フレーベル館の公式オンラインショップからのみとなります。お手数をお掛けしますが、ご購入を希望される方は、以下のオンラインショップをご利用いただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。

フレーベル館 オンラインショップ
https://ec.froebel-kan.co.jp/shop/


紀伊民報に「うなぎ」

2025年7月24日
和歌山県立自然博物館の特別展示

先週から始まった和歌山県立自然博物館の夏の特別展は「紀の川の魚類」です。紀の川は奈良県・三重県の県境にある大台ケ原を源に、紀伊半島の付け根を流れる流程136kmの一級河川です。奈良県内では「吉野川」、和歌山県で「紀の川」と呼ばれます。有吉佐和子さんの小説「紀ノ川」の舞台となった川ですね。県内屈指の大河に生息する魚類を調べるのは並大抵のことではありません。解説書に掲載されている「紀の川魚類リスト」は圧巻の一言です。企画展は主幹・学芸員の平嶋氏が担当されたこともあり、特にハゼ類、汽水魚の正確な情報は後世に残るものだと思います。
期間は8月31日まで。夏休みは是非、和歌山県立自然博物館に足を運んでみてください!

もしもウナギがいなかったら?

2025年7月18日
出版のご案内

「山渓ハンディ図鑑 増補改訂版 日本の淡水魚」(山と渓谷社)がバージョンアップして第4版となり出版されました。学名など最新の情報にアップデートされています。近年、新種記載されたレイホクナガレホトケドジョウ、シーサーハゼ、ミナミスナヤツメ、クモマダラハゼ、ヤミマダラハゼなどの他、テッポウウオやニューギニアウナギのような日本でも確認されるようになった種、アカエイ、カスミアジ、ロウニンアジなどの汽水魚、ロングイヤーサンフィッシュ、コウライオヤニラミなどの外来種なども掲載しています。著者として新たに徳島県立博物館の井藤大樹氏が加わり、表紙も変更されました。

日本の淡水魚

山渓ハンディ図鑑 第4版 日本の淡水魚
山と渓谷社
編・監修:細谷和海
解説:藤田朋彦・川瀬成吾・井藤大樹
写真:内山りゅう
定価:4620円(本体4200円+税)

第4版で新たに掲載された種類の一部です。
ミナミスナヤツメ
トミヨ雄物型
レイホクナガレホトケドジョウ
サッパ
テッポウウオ
ロングイヤーサンフィッシュ
 
アカエイ
 

2025年7月11日
「うなぎ」の写真絵本!

嬉しいお便りが届きました。「キンダーブック しぜん うなぎ」(フレーベル館)を、とても気に入ってくれたお子様、いちは君(2歳)が本を見てくれている様子です。とても可愛いですね。夜は「うなぎ」の本と一緒に寝ているそうです。これだけ喜んでくれると、「うなぎ」を作って良かったなと心から思いますね。ありがとうございます!

うなぎの写真絵本
うなぎの写真絵本


2025年7月8日
番組放送のご案内

「日本のウナギ」(山と渓谷社)、「キンダーブック しぜん うなぎ」(フレーベル館)の著者である、中央大学の海部健三氏が出演される番組が13日に放送となります。BSフジテレビの「もしもで考える…森田健作のなるほど!なっとく塾」という番組で、海部氏は「もしもウナギがいなかったら?」というテーマで講師役とのこと。番組では本の紹介をして頂けるようで、私は写真の提供を少ししています。
是非、ご覧いただければと思います!

放送予定
BSフジ 7月13日(日)17:00〜17:55

もしもウナギがいなかったら?
ウナギ漁に同行する海部氏。岡山県児島湾にて。

2025年7月5日
番組放送のお知らせ NHK「さわやか自然百景」

昨年から収録を続けていた NHK「さわやか自然百景」が7月13日にOAとなります。今回の舞台は山口県の錦川です。源流から河口までを、様々な生き物たちを紹介しながら展開します。錦川は大きな河川ですが水の透明度は素晴らしく、取材を続けるうちにこの川に魅了されました。私の古くからの友人で山口県在住の中島賢友氏の多大なる協力の元で収録を進めることができ、感謝に堪えません。番組ではニホンヒキガエルやオヤニラミの産卵、サツキマスの産卵の瞬間など、貴重なシーン満載です。中国地方の川も良い川が沢山あります。是非、足を運んでいただけたらと思います。

■放送日
2025年7月13日(日)午前7:45〜7:59 総合
2025年7月19日(土)午前6:30〜6:44 BSプレミアム4K
2025年7月21日(月)午前4:00〜4:14 総合
2025年7月25日(金)午後0:45〜0:59 BSプレミアム4K

さわやか自然百景
岩国城の天守閣から見た錦川の流れ。手前の橋は観光名所となっている「錦帯橋」です。

さわやか自然百景
上流域での撮影。河畔林がしっかりしていて、透明度が高い印象でした。

さわやか自然百景
上陸が始まったニホンヒキガエルの幼体。繁殖シーンも取材しています。

さわやか自然百景
秋、サツキマスが産卵のために遡上します。この魚に会えた時は久々に感動しました。

2025年7月2日
ビワマスの新種記載論文

今まで分類学的に sp. として学名が決定していなかったビワマス。ついに、というかようやく新種として記載され、学名「Oncorhynchus biwasensis」が付けられました。新種として記載するには、他の種類と明確に異なることを証明する必要があります。そのため、かつては同一種とされていたアマゴとの詳細な比較は不可欠です。数年前に論文の筆者の一人、桑原氏から連絡を受け和歌山県内のアマゴのサンプリングのお手伝いをしました。遺伝子を見るため放流されたアマゴでは意味が無いので、純血のアマゴが生息する谷をご案内しました。「サンプリング」というと格好いいですが、要は「アマゴ釣り」なんですけどね。

ビワマス
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ビワマス
このたび、琵琶湖固有の新種となったビワマス。

ビワマス
県内河川でサンプリングを行う桑原氏。

2025年7月1日
新刊のお知らせ

このたび「キンダーブック しぜん7月号 うなぎ」(フレーベル館)を出版しました。2016年に「ウナギのいる川 いない川」(ポプラ社)、昨年は「日本のウナギ」(山と渓谷社)を発刊し、ウナギをテーマにした本は3冊となりました。
この本では、実際のウナギを実物大で見ていただけるように、両観音開きページで巨大天然ウナギを掲載することにしました。80cmを超える大きなウナギの原寸大写真は迫力があると思います。また、肉食魚としてザリガニやミミズなどを食べ、激しいケンカをする、生き物としてのウナギの姿を子どもたちに見て欲しいと思いました。親子でページをめくりながら、ウナギについて話す機会になれば嬉しいですね。

キンダーブック しぜん7月号 うなぎ
フレーベル館
指導:海部健三
写真:内山りゅう

「キンダーブック しぜん」は年間12冊からなる月刊保育絵本です。定期購読が基本ですが、以下のオンラインショップから1冊でもご購入いただけます。
https://ec.froebel-kan.co.jp/shop/c/c1001/

キンダーブック しぜん7月号 うなぎ

キンダーブック しぜん7月号 うなぎ

2025年6月30日
2回目の講演会

21日に続き、28日には2回目の講演会がありました。前回にも増して多くの人が足を運んでくださり、感謝に堪えません。28日をもって紀北町のイベントは終了となりますが、紀北町役場の方々をはじめ、このイベントに携わった多くの皆さん、お疲れさまでした。最後は皆さん名残惜しそうでしたが、「やっと終わった」と思うよりも「名残惜しい」くらいの気持ちを残した方が、次回に繋がるのだと思います。微力ながらお手伝いが出来たのであれば嬉しいです。
21日、28日ともに猛暑でした。そんな中、会場に来ていただいた方々、本当にありがとうございました!

DNPプラザでの講演会
DNPプラザ1Fにある「外濠書店」では私の著書を並べてくださいました。購入された本は、講演後にサインを入れさせていただきました。お買い上げ、ありがとうございました!

DNPプラザでの講演会
常設した椅子が足りなくなり、追加して対応させていただきました。子どもたちが多かったですね。

DNPプラザでの講演会
銚子川の「水色」について解説しています。

DNPプラザでの講演会
講演後の質問コーナーでは、アユの生態について訪ねられる方が数名いらっしゃいました。アユの人気は高いようです。

2025年6月23日
DNPプラザでの講演会

21日に行われた市ヶ谷・DNPプラザでの講演会は、沢山の方が足を運んでくださいました。ありがとうございました。「東京に奇跡の清流があらわれる」とあるように、会場には大きな写真パネルやモニター、銚子川の石などを使った雰囲気作りが施され、銚子川の水で煎れたこだわりのコーヒーやカステラなどの試食提供、ふるさと納税返礼品の紹介コーナーなど、紀北町の魅力が満載となっています。シダ(ウラジロ)を使ったしおり作り体験、飴まきなどの催しなどもあります。
2回目の講演は28日の土曜日です。お時間がありましたら是非、遊びにいらして下さい。お待ちしています!

DNPプラザでの講演会
市ヶ谷にあるDNPプラザの入り口です。外堀通り沿いにあるので分かりやすいと思います。

DNPプラザでの講演会
等身大の至君のパネルが来場者を迎えてくれます。何故かホッとする私。ありがとね〜。

DNPプラザでの講演会
一辺が180cmの巨大パネルは迫力があります。「空飛ぶカヌー」は大人気でした。

DNPプラザでの講演会
講演は追加の椅子が並べられるほど盛況でした。本当にありがとうございました!

DNPプラザでの講演会
講演終了後の質問コーナーはマニアックな内容もあり盛り上がりました。ご購入いただいた写真集にはサインを入れさせていただきました。

2025年6月15日
岩国の「シロヘビ」

以前から行ってみたいと思っていた山口県岩国市の「シロヘビ」をようやく見に行くことができました。「岩国のシロヘビ」は、国の天然記念物に指定されています。このHPの「ニュース」の1月には、かつて「日本蛇族学術研究所」で撮影をさせていただいたシロヘビの写真を掲載しています。岩国で生きた「シロヘビ」を見ることができる施設は2か所あるようで、その両方に足を運びました。1か所目は岩国城へと上がるロープーウェイ乗り場前にある「岩国シロヘビの館」。そして車で15分ほどのところにある「白蛇神社」です。何故この地域にアオダイショウのアルビノ個体(シロヘビ)が多産するのかははっきりしませんが、400年ほどの歴史があることに改めて驚きと神秘性を感じたのでした。

シロヘビ
岩国シロヘビの館

シロヘビ
岩国シロヘビの館

シロヘビ
白蛇神社

シロヘビ
白蛇神社

シロヘビ
白蛇神社

2025年6月5日
WWFジャパンのウナギの情報

このたび、WWFジャパンがウナギについての情報を発信しました。私はニホンウナギの写真などを提供させていただいています。昨今のウナギを取り巻く世界情勢の変化や、持続可能なウナギ資源の管理など、ウナギについてより知ってもらいたいということだと思います。鰻重は大好物で、これからも食べていきたいという人は多いのですが、肝心のウナギについての正確な情報については、まだまだ伝わっていないと感じています。まずは、「ウナギを知ること」がスタートなのだと思います。この機会にWWFジャパンの記事に目を通されると良いと思います。

WWFジャパンのウナギの情報

2025年5月27日
東京での講演会

銚子川が流れる三重県紀北町の町制20周年記念イベントが、東京市ヶ谷のDNPプラザで開催されます。会期は6月21日〜28日の8日間です。会場では、私が新たに制作した銚子川の映像作品を常時展示し、6月21日と28日の2回、講演をおこないます。多くの写真をお見せしながら銚子川の魅力や生き物についてお話ししたいと思っています。会場では様々な催しもありますので、是非、足をお運びいただければと思います。会場でお待ちしています!

町HP
https://www.town.mie-kihoku.lg.jp/2025/05/26/7469/

紀北町イベント2025

紀北町イベント2025

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2025年5月22日
朝日新聞和歌山版の連載

先月から始まった連載「水事記」は、田辺市本宮町の「小々森の清水」を紹介しました。湧き水を生活に利用している地域は全国で散見されますが、意外と和歌山県内に多くはありません。「小々森の清水」は、かつては地域の人たちの飲み水として大切に利用されてきました。水道が配備された現在でも野菜を洗ったり、様々に利用されています。

朝日新聞

2025年5月14日
3坊主!

先日、「日本のウナギ」(山と渓谷社)の著者である海部健三氏、脇谷量子郎氏が家に来られました。ウナギや生き物の話しで大盛り上がりの1泊2日でした。話しの中で脇谷君が小学6年生の時、中学受験で桐朋に進むキッカケとなったのが、生物室に陳列してあった巨大ナマズの液浸標本だったと聞きました。そのナマズの標本は、私が多摩川(是政)で捕獲した個体なんです。あまりにも立派なナマズだったので、生物部の顧問の先生にガラス製の標本瓶を買ってもらった記憶があります。あれがまだあったとは! そして、「あのナマズとの出会いがなかったら今の自分はなかったかも」と彼の大げさな話でしたが、後輩の中に立派な研究者がいることが嬉しくも誇らしい気持ちにさせたのでした。因みに、「僕には鳥の言葉がわかる」(小学館)の著者、鈴木俊貴氏は脇谷君の後輩で、桐朋生物部出身です。

3坊主!
写真は左から脇谷氏、海部氏、私です。田辺・味光路の「こがね」にて。

日本のウナギ

2025年5月10日
写真集のご紹介

写真家の中村征夫さんが写真集「裏磐梯 五色沼湖沼群」を出版されます。色彩美に溢れた湖沼群の水の中や四季をとらえた写真集です。五色沼の水中へは許可なくして入ることはできません。長い年月を掛けて撮りためてきた、征夫さんならではの写真集だと思います。
5月21日発売にむけて現在、予約注文を受け付けています。

裏磐梯 五色沼湖沼群
著者:中村征夫
大月書店
定価:6,930円(税込)

五色沼湖沼群

2025年5月8日
こりゃ何だ?

庭に植えているブルーベリーの葉に、面白い生き物がいるのに気がつきました。妙なカタチで黒地に黄色い眼状紋がどこか不気味です。こりゃ何だ?…。この生き物の正体は、「アケビコノハ」という蛾の幼虫=イモムシなのです。幼虫は頭の部分を内側に折り曲げ、眼状紋を目立つようにしています。それにしても何度見てもそのシルエットは刺激的です。成虫になると前翅は枯葉そっくりの色形となりますが、後翅はオレンジ色で派手です。私は子どもの頃に図鑑でしか見たことがなかったので、しばし興奮。アケビを食草とするのでその名がありますが、我が家ではアケビと同所的にあるブルーベリーに多数付いていました。

アケビコノハ

2025年5月3日
写真掲載のお知らせ

小学館の雑誌「和楽 6・7月号」に写真が掲載されました。特集が日本の国宝なのですが、その中で国宝級の「日本の美景」の数々を取り上げています。まさに絶景と呼べる日本の原風景は本当に美しいですね。国宝といえば仏像や土器などの美術品を想像しますが、日本の素晴らしい景色を「国宝級」として紹介しているのは「和楽」ならではだと思います。私は和歌山県の安川渓谷で撮影した、水底から森を見上げた水中写真を提供させていただきました。清らかな水こそ、世界に誇れる日本の宝だと思いながらシャッターを押しています。

和楽

和楽

2025年5月1日
パンダの町、白浜!

アドベンチャーワールドのパンダ4頭すべてが6月の末頃、中国に返還されるというニュースが流れました。「パンダの町、白浜」というキャッチフレーズがあるほどパンダがシンボル化している白浜町は大騒ぎです。白浜町は人口2万人弱の小さな町ですが、観光で訪れる人は年間で300万人に及びます。そのうちパンダが目的で来る人も多いでしょう。白浜町のお土産にはパンダが描かれ、電車やバスなどそこかしこにパンダが溢れています。町の観光には大打撃となることは間違いありません。GWは、最後に一目だけでも見ておきたいと連日、大勢の人が訪れています。
しかし、「パンダのいない白浜」になってからこそ、真の観光地としての価値が問われるのかもしれません。

白浜のパンダ
7年前に参加したアドベンチャーワールドのバックヤードツアー。直接、餌を与えることもできました。

白浜のパンダ
「桜浜」。白浜で生まれたパンダには名前に「浜」が付き、ファミリーは「浜家」と呼ばれます。

2025年4月22日
アカガシ林

日置川の上流、前の川流域にあるアカガシ林を見に行きました。近年、県内でも「ナラ枯れ」の拡大が報告されていて、かつて訪れて感動したアカガシの巨木たちは大丈夫だろうかと心配になったのです。その場所は尾根伝いに行けば楽だったと記憶していたのですが、如何せん10年以上前のこと。実際は汗だらだらで一人でヒーヒー言いながらの登山となりました。しかし、アカガシが立ち並ぶ一帯に到着すると、疲れも吹き飛ぶ景色が待っていました。新緑に包まれたアカガシの巨木やシラカシ、ヒメシャラ、そしてブナは神々しく見えました。僅かに針葉樹であるツガが混じり、標高を確認すると900m近くまできていました。やっぱり、春の山はいいですね。

アカガシ林

2025年4月19日
沢登り

先日、尾鷲の中西さんの案内で三重県御浜町、熊野市周辺の滝や沢に行きました。和歌山県に比べて三重県の山の方が自然林が残っているように感じました。たとえ二次林であっても山が綺麗です。紀伊半島の南部に位置する御浜町や熊野市の山は今まで入ったことがなく、とても新鮮でした。トレッキングや沢登りに長けている人が一緒だと安心感が違います。中西さんは元々、淡水魚や淡水貝類が専門なので道中の話しも盛り上がりました。山奥での会話に「ウシモツゴ」だの「ヨコハマシジラガイ」だの、コアなワードが飛び交い楽しい1日となりました。

沢登り
熊野市の「大丹倉(おおにぐら)」。幅500m、高さ300mに及ぶ大絶壁で、古くから修験道の人たちの聖地とされます。

沢登り
蟾島岩東の大滝。アケボノツツジがよいアクセントになっています。

沢登り
熊野市のガンガラ滝にて記念撮影。右が中西さん。他の滝の帰りに立ち寄りました。

2025年4月15日
朝日新聞で連載がはじまりました

朝日新聞和歌山版・朝日新聞デジタルにて新連載「水事記」がスタートしました。清らかな水があればこそ育まれてきた県内の「水文化」や水と共にある暮らし、景色などを「水事記」として掲載する予定です。かつて連載させていただいていた「和歌山ネイチャーフォト」は生き物を取り上げることが多かったのですが、新連載では「人」と「水」、「暮らし」を中心に月に1回、取り上げていきます。乞うご期待!

朝日新聞


2025年4月5日
桜が満開

先日、桜(ソメイヨシノ)が一気に満開となりました。クマノザクラの開花が例年よりもかなり遅れたのですが、急激な気温上昇にともないソメイヨシノが後を追うように咲きました。植物たちにとって開花の時期というのは種ごとに凡そ決まっています。近縁種が一斉に咲かないのは、開花の時期をズラすことで生殖隔離をはかっているからです。クマノザクラが新種として記載されたのも「早咲きのヤマザクラ」として開花の時期が早いことも決め手になったそうです。この数年、気温が急激に変わる日が増えるようになり、植物の開花の時期がズレるようになりました。花が美しければ美しいほど何だかモヤモヤとした気持ちになるのは、私が心配性だからなのでしょうか。

桜
銚子川に咲くソメイヨシノ。川の中からのお花見を楽しむことができました。

2025年4月1日
コイの放流

先日、潜っていた銚子川で大きなコイを数匹見掛けたので撮影しました。透き通った「銚子川ブルー」に泳ぐコイの姿は違和感しかありません。誰かが放流したのでしょう。コイは雑食性で何でも食べる大型の魚です。写真の個体は立派な体型をしており、銚子川の水生植物、小魚、甲殻類、貝類などをたくさん食べて育ったようです。本来、銚子川の生き物たちが食べているものが、放流されたコイに食べられてしまっている訳です。また、かつて全国でまん延したコイヘルペスウィルス病は、放流されたコイから広がったものでした。現在はコイの放流、持ち出しには制限を設けていることが多いですが、かつては各地で盛んに行われてきました。写真の看板は他の県で立てられていたものです。同じ川では「ゲンジボタル」を保護する看板も立っていて驚きました。何故ならゲンジボタルの幼虫の餌になる巻貝のカワニナをコイはバリバリと食べてしまうからです。一体、何を守りたいのか? こうした行いは、看板を立てている人やコイを放流する人にはまったく悪気が無いことなのかもしれません。しかし、「知らない」ことは罪だと思うのです。

コイの放流

コイの放流

2025年3月27日
マーサは11歳になりました

11歳の誕生日を迎えたマーサを連れて川に行きました。水温は10℃ほどと冷たいですが、相変わらず元気に泳ぐ姿にホッとしました。
水を見ると飛び込んで行くところは、まだまだ若いなあと感じます。泳いだ後はタオルで全身を拭き乾かします。この時、いつも苦労するのは毛に絡まるスギの葉です。長い毛の犬種を飼っている人は分かると思いますが、枯れたスギの葉は毛に絡まりやすく厄介な存在なのです。近所の山は植林が殆どなので、何処に行ってもスギだらけ…。時にはスギの枝ごとくっつけてくることもあり、毛を引っ張らないように注意して外すのは手間が掛かります。

マーサ

マーサ

2025年3月13日
ビワマス

先日、ピカピカのビワマスが届きました。世界で琵琶湖にのみ生息するサケ科の魚です。前回、食べたのは5〜6年前?と記憶が定かでないほど前のこと。琵琶湖には撮影に行っていますが、そうそう口に入るものではないんです。特に春先のビワマスは脂が乗っていて最高です。日本には数あるサケ科魚類がいますが、ビワマスがもっとも美味しいという人は少なくありません。海に降りないので寄生虫がおらず、刺身で食べられるのもビワマスならではです。夕食でいただきましたが、これほど美味しかったのかと改めて思うほど絶品でした。送っていただいたのは琵琶湖博物館で長年、ビワマスの生態研究をしている桑原雅之氏。桑原氏とのお付き合いは長く、軽く30年は越えます。最高のプレゼントに感謝感激です。

ビワマス

2025年3月10日
スッポンの日光浴

我が家には3匹のスッポンがいます。いちばん年上なのが「すぽぽ」という名のオスで、今年で21歳になります。他のカメも同じですが、カメの飼育でもっとも大切なのは日光浴をさせることです。とくにスッポンは日光浴をさせないと背甲にカビが生えたり、手足の皮膚が赤くなったりして痒がります。天気のよい日には30分ほどの短い時間でも日光浴をさせるようにしています。陽を浴びると、スッポンたちは背甲を反らせ四肢をめいっぱい伸ばして乾燥させます。日光浴をしている姿は何だか気持ちよさそうです。

スッポン
外での日光浴は飼育水をすべて捨てて乾燥させるようにしています。

2025年2月22日
おかずじゃこ

地元のスーパーで売っていた「おかずじゃこ」なるものを買いました。ビニール袋にはカタクチイワシの稚魚の他、おそらくカマス類の稚魚やタイ類の稚魚などが混ざって入っていました。目の細かな網を曳いて捕るのだと思いますが、多くの種類の稚魚が混獲されていて見ているだけでも楽しいです。サッと塩茹でをしただけのシンプルな調理もグッド! 大根おろしとポン酢、または醤油でいただきましたが、これが美味しくて十分「おかず」になるのです。確かに「おかず」になる「じゃこ」です。1回では食べきれないので半分だけにしましたが、値段もリーズナブル。この時期だからこその地元のおかずです。

おかずじゃこ

おかずじゃこ

2025年2月13日
「日本のウナギ」が新聞に掲載されました

「日本のウナギ」(山と渓谷社)が、朝日新聞和歌山版・朝日新聞デジタルにて紹介されました。著者の方々、編集者、デザイナーなどなど、皆さんと一丸となって作った自信作の本なので、一人でも多くの方に手に取っていただけたら嬉しいです。この本は「日本のドジョウ」「日本のタナゴ」に次ぐシリーズとなっており、現在も次の本の製作に取り掛かっています。次作もグラフィカルで美しい写真で展開できるように、積極的に撮影取材を続けています。ご期待ください。

ウナギ新聞

2025年2月11日
龍神村!

この所の大寒波は各地で甚大な被害をもたらし、ニュースでは連日、雪による警報が流れていました。しかし、白浜では雪がチラチラと舞うことはあっても積もることはありませんでした。他の地域に比べ冬も比較的暖かな南紀ですが、撮影では困ったこともあります。それは冬らしい雪の景色が撮影できないことです。冬の季節感を表現するには雪の存在は欠かせません。予報では大雪になる日の朝、四輪駆動車+スタッドレスタイヤ装備で山奥にある田辺市龍神村に雪景色の撮影に向かいました。
龍神村は、今から30年以上前に公開された映画「大誘拐 レインボーキッズ」の舞台となった村です。紀州一の山林王の老婆を誘拐するという娯楽映画で、岡本喜八監督による作品。当時、映画を見た人ならば龍神村というインパクトのある地名は記憶に残ったと思います。和歌山県内、いや全国でももっとも格好いい地名が龍神村ではないかと、個人的には思っています。「龍」と「神」どちらもこの上なく力強い漢字ですよね。
そんな龍神村、やはり雪は凄くて、高野龍神スカイラインは通行止めになっていました。時折、吹雪のような横殴りの雪でしたが、久々に雪の景色を撮影することができました。

龍神村

2025年1月24日
ドッグ・ウォッシュ!

オープンしたばかりの「南紀白浜ドッグホテル白浜」の施設内にある「ドッグ・ウォッシュ」を利用させていただきました。先日、施設内をご案内いただいたのですが、清潔に保たれたホテルの部屋は実にお洒落で豪華!。その部屋に愛犬と一緒に泊まれるなんて、愛犬家には嬉しいホテルの誕生です。お風呂はもちろん白浜温泉のかけ流し。広い敷地内には日帰り温泉「行幸の湯」、足湯、ドッグラン、ランドリー、ショップやカフェ、ベーカリーもあります。ここは白浜の新たな名所となりそうですね。

ドッグ・ウォッシュ
マイクロバブルを発生させた暖かい水に浸かるマーサ。最新のドッグ・ウォッシュ専用機だそうです。初めての経験にビビりながらの入浴です。

ドッグ・ウォッシュ
この日はシャンプーを使わず、バブルの水だけで洗ってみました。この水だけで、びっくりするくらい汚れが取れました。バブル水、恐るべし。

ドッグ・ウォッシュ
ドライヤーで乾かすと、毛がフワフワになりました。マーサも何だかうれしそうです。

ドッグ・ウォッシュ
わんちゃんと一緒に過ごせるカフェです。スタッフは皆、犬好きな方ばかりなので安心です。

2025年1月15日
風邪でダウン…

つい先日まで風邪をひいて家から出ずの生活を送っていました。実はこの十数年間一度も風邪をひいたことがなく、インフルエンザとも無縁でした。ワクチンは打っていましたがコロナにも感染していません。「馬鹿は風邪をひかない」ということわざがありますが、まさに当てはまっているなと思っていたくらいです。ある日、喉の調子が悪くなり、そこから炎症で酷くなりました。熱が出なかったのは幸いだったので、1週間弱はずっと写真フィルムやデータの整理をおこなっていました。新年早々、過去に撮影した写真を再度見直す良い機会にはなりました。ただ自分的には多少のショックはあり、抵抗力の低下はやっぱり老化によるものか…と。こればっかりは気力では何ともなりませんね。

お猿の森
闘鶏神社で猿回し「お猿の森」を見に行った時のもの。

お猿の森
お猿の「さち(幸)」にはおひねりを渡しました。

2025年1月7日
本のご紹介

先日、「刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男」(ホビージャパン)が発刊されました。以前、ここでも(2020.8.10)紹介させていただいた菊さんこと、松田菊男さんの軌跡をまとめた1冊になります。今や世界的にも注目を集める「菊ナイフ」は、その人気ゆえに入手が困難でプレミアがつくほどです。菊ナイフはデザイン性の高さと機能性を兼ね備えたナイフですが、現状の形に至るまでは様々なご苦労があったようです。ナイフ作家として半生を掛けた菊男さんの熱き思いが感じられる本です。

ナイフ
刃物の街・関から世界へ ナイフ作家・松田菊男
服部夏生・ホビージャパン
定価:2,200円(税込み)

ナイフ
私が愛用している菊ナイフ “百瀬川” です。川で魚を捌くために手に入れたものですが、何だか使うのが勿体なくて出番は少ないです…。「バンバン使ってよ!」と叱られそうですね。

2025年1月4日
謹賀新年

あけましておめでとうございます。今年もテレビ番組の制作と写真絵本などの出版が決まっており、ありがたい限りです。各地へ撮影に行く予定も多く、今から楽しみにしています。還暦を超え、かつてのように身体が動かなくなってきていることを自覚するようになりました。それでも水の中への興味は尽きることなく、撮影したい気持ちは衰えません。多少身体にガタは来ても、精神力で乗り越えようと思っています。今年もよろしくお願い致します。

シロヘビ
山口県岩国市の「シロヘビ」。国の天然記念物に指定されているアオダイショウのアルビノ個体群。脱皮を繰り返すヘビは「蘇り」として神格化されることが多く、脱皮した殻は金運をもたらすとも言われてきました。かつて写真絵本「ヘビのひみつ」(ポプラ社)を制作した際、沢山の脱け殻が家にありましたが、お金の方は一向にたまりませんでしたね〜。

2024年12月24日
サンタ帽子!

クリスマスを意識して、マーサにサンタ帽子を乗せてみました。本人は嫌がって直ぐに取ってしまいましたが…。愛犬や愛猫に帽子などを乗せている写真を見掛けると「虐待だな〜」とか言っていたのですが、いざ乗せてみると何とも可愛らしい! 親バカ、犬バカな自分にトホホと思ったりしています。

サンタ帽子!

2024年12月21日
カンランの花茎が枯れる…

我が家のテラスには数鉢のカンラン(ラン科)があります。すべていただきものの「紀州寒蘭」です。その中の1鉢に花茎が伸びて10個のつぼみが付いたものがありました。花には何ともいえない良い香りがあり、花も美しいので開花を楽しみにしていました。今月初旬にようやく1つ開花したのですが、様子がおかしいのです。花は下を向いたままで一向に開きません。日にちが経つにつれ、他のつぼみはすべて茶色く変色し、結果咲くことはありませんでした。親しくしているカンランの先生に聞くと、今年はかなりの割合で花が咲かなかったり枯れたりしているといいます。原因は夏の暑さだそうです。涼しくて水はけのよい場所を好むカンランにとって、今年のような猛暑はこたえているのでしょう。夏の暑さが冬になって咲く植物にも強く影響していることに驚きと怖さを覚えたのでした。

カンラン
この状態で枯れていきました…。残念です。

2024年12月13日
あべのハルカス美術館

先日、あべのハルカス美術館で開催されている「印象派モネからアメリカへ―ウスター美術館所蔵― 光は海を越えて」を見に行きました。ウスター美術館は印象派の作品を積極的にコレクションしていて、その一部が初公開されるというもの。フランスの印象派、モネの「睡蓮」は是非見たいと思っていて、筆の運びがはっきりと分かる距離で観覧できたのは良かったです。こうした作品を直接見る機会は多くはないので、足を運んで良かったと思いました。しかし、白浜からはJR特急くろしおで片道2時間…。東京で暮らしていた頃にくらべると、随分いろいろなものと距離が広がったなあ、と実感します。

あべのハルカス美術館
JR天王寺駅と直結していて、とても便利なあべのハルカス。美術館は16Fにあります。

あべのハルカス美術館
モネの代表作ともいえる「睡蓮」。水の反射が美しいです。

あべのハルカス美術館
パーシャルのグランドキャニオン。撮影は館内で許可されているものです。

2024年12月8日
ベローズ撮影

高倍率のクローズアップ撮影ではベローズが有効です。30年ほど前に揃えた機材に、アダプターを装着してSONY α7SV で使えるようにしています。オート絞りが使えないため、絞りは手動のフルマニュアルです。被写界深度が僅か0.数ミリの世界なので、しっかりとした三脚を使い微妙なピントを探ります。この使い勝手がお世辞にも良いとは言えないベローズを使う理由はズバリ、レンズにあります。今まで様々なマクロレンズ系を使ってきましたが、解像度は様々で納得のいくものは多くはありませんでした。その中で、 Leica(LEITZ WETZLAR)PHOTAR(ライツ・フォタール)は驚くようなキレを見せました。当時はフィルムでしたが、現像したフィルムをルーペで覗いた時に鳥肌がたったことを思い出します。30年前でも一般には流通しておらず、個人輸入でドイツから取り寄せました。昆虫写真家の海野和男氏も絶賛されているレンズです。

ベローズ撮影
Leica PHOTAR F4 50mmをオリンパスのベローズに装着しています。撮影時にはストロボを3〜4個同時発光。ピント合わせはSONY α7SVで拡大しておこなうので老眼でも大丈夫。

ベローズ撮影
僅か1ミリほどの卵を撮影しクロップしています。卵割の様子まではっきりと分かります。キレの良さと立体的に写る解像力に惚れ惚れします。

2024年12月7日
ハクセキレイ

先日、古座川でハクセキレイを観察しました。場所は開けた瀬で、石の間にクチバシを入れたり、飛んでいる虫を捕えたりとせわしなく飛び回っていました。同じ瀬には2羽のハクセキレイとよく似たセグロセキレイ、キセキレイと3種類のセキレイがいて、個体ごとにナワバリのようなものがあるようでした。川の上を飛んでは長い尾を上下に振り、石に止まって「チュイチュイ」と鳴きます。水面から突き出た石では度々争いが起きていて、どうやら気に入った石がある様子。石を巡っての争いといえば、かつてカジカガエルでも観察したことがあります。美声で有名なカジカガエルのオスは、気に入った石の取り合いをしていました。川の中に転がっている石はどれも同じように見えますが小さな生き物たちにとって、とても大事な存在のようです。

ハクセキレイ

2024年11月25日
仲良し??

毎晩、ケージから出るのがルーティンになっているセキセイインコの「ぷぴお」。30分〜1時間ほど居間で遊んだ後、自分でケージに戻っていきます。こちらがテレビを見ていたりして相手にしないと、いつの間にかマーサのところに行っていることがあります。マーサのケージにとまって何だか仲良く見えるのですが、マーサは本当は嫌なんです。マーサの毛を引っ張ったりするので…。性格が優しいマーサはぷぴおには何もしませんが、内心穏やかではない様子。そんな時はぷぴおを迎えに行き、居間で遊ぶようにしています。

ぷぴおとマーサ

2024年11月22日
「日本のウナギ」が紹介されました

「うなぎ百撰 2024年秋号」(うなぎ百撰会)に、「日本のウナギ」が紹介されました。「うなぎ百撰」はウナギに特化した冊子なので、掲載していただくことに意味があると思っています。会員の多くは鰻屋さんですので、「日本のウナギ」はド・ストライクかと。
ウナギの生態や生息する環境などについて興味をもっていただけるのは、まずは一番の接点となる鰻屋さんや鰻を食べている人だと思うのです。美味しいうなぎを持続的に食べるには、ウナギのことを知ることが肝心なのではないかと思っています。

うなぎ百撰会(うなぎ百撰は定期購読もできます)
東京都中央区日本橋室町1-8-2 7F
03-6202-1223

うなぎ百撰

うなぎ百撰

2024年11月15日
匠の聚フォトコンテスト入賞作品展のお知らせ

毎年、開催されている奈良県川上村・匠の聚フォトコンテスト・2024年の入賞作品展示が以下の場所で行われます。全国各地で行われているフォトコンテストですが、4カ所も巡る展示は少ないのではないでしょうか。フォトコンテストの楽しさというか醍醐味は、自分が撮影した作品を多くの人に見てもらえることだと思います。入賞された方はもちろん、これから応募される方は是非、会場に足を運んでみてください。プリントされた写真を見る機会は少ないと思いますが、プリントをすることで見えてくるものもあると思います。

匠の聚フォトコンテスト入賞作品展のお知らせ

2024年11月8日
その名はパンダ!

先日、和歌山の沿岸などに生息するメリタヨコエビが新種記載されました。広島大の富川氏らが報告したもので、白と黒の模様であることから「パンダメリタヨコエビ」と命名されました。白浜町でも見つかっていることから、白浜町のアドベンチャーワールドに暮らすジャイアントパンダに因んだ命名ということです。

パンダメリタヨコエビ
パンダメリタヨコエビ( Melita panda )。体長は7mmほど。

パンダメリタヨコエビ
アドベンチャーワールドのジャイアントパンダ「桜浜」。

パンダメリタヨコエビ
砂地の転石などで見られることから、体色の白黒は隠蔽色になっているのだと思います。

2024年11月3日
渓流用のドライスーツ

水中撮影でもっとも大事な装備の一つがスーツです。服の上から着るドライスーツは保温性が高く、長時間の撮影には欠かせません。通常は生地の厚さが3.5ミリのスーツを着用しているのですが、スーツ自体が若干重くかさばるのが難点です。撮影ポイントが近ければいいのですが、近年行っている渓流域での撮影では数時間は歩かなければなりません。そこでこの度、スーツの生地の厚さが2ミリという極薄のドライスーツをラングさんに作っていただきました。保温性よりも軽さを選んだわけですが、中に着るインナーがしっかりとしていれば問題はありませんでした。何よりも軽くて動きやすいので渓流での撮影では、とても重宝しそうです。

株式会社ラング

渓流用のドライスーツ
軽量で動きやすい2ミリのドライスーツ。北海道のラングさんのフルオーダー・スーツです。ブーツは渓流用のフェルト底のものを使用しています。

渓流用のドライスーツ
「極上の水」を求めて、この場所までは林道、渓流を往復6時間歩きました。荷物は100グラムでも軽くしたい訳です。
Photo:上田柊太郎

2024年10月28日
NHK「さわやか自然百景」のサイトに「紀伊半島 北山川」が
掲載されました。
収録はすべて4Kで行っているので、4Kでご視聴いただける環境であれば
是非、11月9日のBSプレミアム4Kでご覧いただけたらと思います!

「さわやか自然百景」ホームページ「紀伊半島 北山川」

さわやか自然百景
舟を使って「瀞八丁」を撮影しました。低いアングルで移動するカットは見ていて気持ちがいいと思います。

2024年10月25日
番組放送のお知らせ NHK「さわやか自然百景」

さわかや自然百景「紀伊半島 北山川」NHK
11月3日(日)午前7:45〜7:59 総合
11月9日(土)午前6:30〜6:44 BSプレミアム4K

春から収録をしていたNHK「さわやか自然百景」が11月3日にOAとなります。番組の舞台は紀伊半島を流れる北山川です。北山川は熊野川の最大の支流で、全長約100キロ。多雨地帯の大台ケ原を源とし、季節ごとに川の水位が著しく変化する川です。源流域には照葉樹林が広がり、清らかな水が流れています。中流域には川の両岸が切り立ち断崖になっている「瀞八丁(どろはっちょう)」があり、特異な景観から観光地となっています。断崖の水際には「渓流沿い植物」と呼ばれる植物の一群が生育しています。川の水位が安定せず、洪水時には水没するような場所に見られる種類です。「瀞八丁」から名付けられたドロニガナやドロシモツケ、シチョウゲ、北山川に固有のカワゼンゴなどの貴重な渓流沿い植物も収録しました。
私は水中撮影や植物などの撮影を行いました。是非、ご覧いただければと思います。

さわやか自然百景
源流域は透明度の高い支流が幾つも流れています。普段から撮影に通っている川もあります。

さわやか自然百景
瀞八丁は奈良県、和歌山県、三重県の3県が境界を成す峡谷です。右の崖の上には100年の歴史のある「瀞ホテル」が見えます。

さわやか自然百景
「渓流沿い植物」の撮影では、熊野自然保護連絡協議会の瀧野先生、本宮町の松本さんに大変お世話になりました。

さわやか自然百景
岩の隙間などに根を下ろし、春先に花を咲かせるドロニガナ。紀伊半島のみに分布する固有種です。

さわやか自然百景
嶋津の森は、川が運んできたタネが中州に流れ着いてできました。嶋津観光協会の平野さん(中央)とカメラマンの伊藤さんと嶋津の森にて。

2024年10月23日
本のご紹介

作家・テレビディレクターの井上恭介さんが
「ウルトラウォーター SATOYAMA CAPITALISM 2030」(プレジデント社)を出版されました。井上さんとは銚子川や古座川などを一緒に巡り、日本の川について、水について何度も語り合いました。井上さんは、あの「里山資本主義」の主著者であり、世の中をグローバルな視点から見つめ、今を生きる日本人にこれからの考え方や生き方を提案しています。井上さんとは年齢が近いこともあって意気投合し、いつか「ウルトラウォーター」を映像化できないかと話し合っています。本は300ページを超え、読み応え十分。本の序章には私が登場するシーンもあり、古座川の「水」やオオサンショウウオにも触れています。読書の秋、是非手に取っていただきたい1冊です!

ウルトラウォーター SATOYAMA CAPITALISM 2030
プレジデント社
定価(本体2000円+税)

ウルトラウォーター

ウルトラウォーター
「滝の拝」を撮影する井上氏。文中に登場する「ちいさな女神」に導かれて

ウルトラウォーター
著者の井上恭介氏。古座川添いの紅葉の前で

2024年10月22日
「ウナギのいる川 いない川」が教科書に掲載されました

小学校4年生国語の教科書に「ウナギのいる川 いない川」(ポプラ社)が掲載されました。教育図書の小学校4年国語上巻に続き、下巻にも掲載されました。「食べ物」としてのウナギだけでなく、魚として川も含めて見てもらえると嬉しいですね。こうした本を一つのキッカケにして、魚に興味をもってくれる子どもが増えてくれたら何よりです。

教科書
教科書
光村図書 国語4年生 下

2024年10月10日
フォトコンテストの審査会

先日、奈良県川上村で「匠の聚フォトコンテスト2024」の審査会がありました。今回は、全日本写真連盟関東本部事務局長の森井英二郎氏が審査員に加わり、写真家の百々俊二さんと3名で行いました。応募作品は昨年よりも数は少なかったですが、 組み写真が多く見応えがありました。他のフォトコンテストの場合は圧倒的に1枚の単写真の応募が多いですが、匠の聚では多くが組み写真です。応募される方のレベルが上がってきていることを実感しますが、より気軽に応募できることも課題となりそうです。インスタグラム部門もありますので、構えずにどんどんとご応募ください。

匠の聚フォトコンテスト2024
匠の聚フォトコンテスト2024
匠の聚フォトコンテスト2024

2024年10月9日
アマゴ

先日、岐阜県の山奥にアマゴの撮影に行きました。産卵のために湖から河川に遡上するアマゴで、降湖型とも呼ばれます。林道に車を停め急な崖を下って行くと、透明度が高い沢にオレンジ色の個体が陸上からでもはっきりと見えました。オスの鼻は鉤状に曲がり、頭部は真っ黒です。紀伊半島にもアマゴはいますが、こんなに大きく迫力のあるアマゴは見たことがありません。アマゴの降海したものをサツキマスと呼びますが、海ではなく湖なので厳密にはサツキマスとは呼びにくい、呼べないような気がします。サツキマスの呼称については研究者にお任せしたいと思います。

アマゴ
メスを巡ってのオス間闘争。大きさは約50cm

2024年10月4日
「くろしお」に掲載

2月に調査を行った三重県度会郡「阿曽の風穴」の調査記録が南紀生物同好会誌「くろしお No.43 」に掲載されました。和歌山県立自然博物館の平嶋氏が中心になり、まとめたものとなります。風穴の中を流れる川は外部と繋がっていて今回、確認ができたタカハヤは川を通して入り込んだものと推察できました。風穴は観光地として開放されているので、近くまで行かれた際には立ち寄られてはいかがでしょうか。

阿曽の風穴
「阿曽の風穴」は、この狭い岩の隙間から出入りします

阿曽の風穴
石灰岩の壁に囲まれた風穴の内部。意外と広い空間が広がっていました

阿曽の風穴
この日はあいにく土砂降りの雨。ライトで照らしながらのサンプリングです

阿曽の風穴
風穴内でみつけたサワガニです

阿曽の風穴
魚類では唯一確認することができたタカハヤ。博物館の登録標本として収蔵されました

くろしお
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2024年9月28日
新種記載!

以前、ここでも紹介しましたナガレホトケドジョウ(嶺北集団)が、片山雄太氏、澤田直人氏らにより新種として記載されました。和名はレイホクナガレホトケドジョウ、学名はLefua nishimurai です。学名の種小名は西村俊明氏に献名したものです。このドジョウの存在に注目した西村氏らの粘り強い調査とその努力を知っているだけに、心から嬉しく思います。
ただし、本種の生息密度は極端に低く、見つかっている数本の沢では、いつ絶滅してもおかしくない状況です。おそらく日本産の淡水魚の中でも、最も個体数が少ない種類に入ると思います。棲んでいる環境の悪化はもとより、採集圧が最も怖いと感じています。もし見つけても「見るだけ」にして持ち帰らないようにお願いできたらと思います。
「日本のドジョウ」(山と渓谷社)の改訂版を出せれば、掲載する準備は中島氏と進めています。

レイホクナガレホトケドジョウ
新種記載されたレイホクナガレホトケドジョウ Lefua nishimurai 。個体は西村俊明氏、中島淳氏より提供。

2024年9月23日
山口県に行ってきました

先日、山口県へロケハンを兼ねて行ってきました。川を見るのが目的でしたが、周南市で茶道具を扱っている早川茶舗・桜雲洞さんに僕のオリジナルプリントを飾っていただいていたので訪ねることに。写真は古座川のクマノザクラを水中から見上げたものです。全紙サイズの額装・プリントは和歌山市の「紙一枚工房」さんにお願いしました。早川さんの奥様、スタッフの方々ともお会いでき、楽しい時間を過ごすことができました。山口県には透明度の高い川が多く、驚きと感動の連続でした。

山口県
桜雲洞さんに飾られていたオリジナルプリントです。水を通して見上げているので、色調は抑え目にしています

山口県
早川茶舗の皆様と

山口県
山口県の川を案内していただいた中島賢友氏と錦帯橋をバックに

2024年9月21日
ヒガンバナ、咲かず...

彼岸の頃に必ず花を咲かせるヒガンバナ。鮮やかな赤い花は遠くからでも目立つ存在です。人の生活の匂いがする場所にしか生えず、「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」など、地方名は全国で500以上が知られています。毎年、9月のこの時期には花を咲かせるヒガンバナですが、今年はほとんど見かけません。他の植物の花期が大きくズレることはあっても、ヒガンバナだけは毎年、花をつけていました。この夏の尋常ではない暑さは、ヒガンバナでさえ影響しているようです。咲かないヒガンバナは我々に何かを訴えているのかもしれませんね。

ヒガンバナ
数年前に撮影したヒガンバナの花。色がつき始めた柿の実と秋を演出しているようでした。

2024年9月7日
「日本のウナギ」が新聞に掲載されました

「日本のウナギ」はご好評いただいており、嬉しく思っています。寄せられたお声の中には本の価格についてもありました。このシリーズは写真をよりクリアに印刷するべく、高品質な紙を使用しています。この紙に限らず紙の価格が世界的に高騰しており、出版社は紙の手配に苦慮していると聞いています。ご理解いただければ幸いです。

日本のウナギ
読売新聞・本よみうり堂


日本のウナギ

紀伊民報紙

2024年8月23日
論文が出ました

日本動物分類学会の Species Diversity誌に、地元の細流で採集したカワムツ(コイ科)に寄生していたチョウモドキについて報告しました。水族寄生虫研究室の長澤和也氏と広島大の富川光氏との共著となります。この寄生虫がカワムツから得られたのは初の事例であること、また、そもそも分類自体が正確に行われていなかった背景を指摘しています。通例として本種はサケ科魚類やアユなどに寄生するものとされ、チョウはタナゴやキンギョ、コイなどに寄生すると思われてきました。しかし正確な分類を行うことにより、本種もカワムツのようなコイ科魚類をはじめ、様々な種類に寄生することが分かってきました。チョウモドキの宿主利用となるキーは何であるか、これからも調べる必要があります。

カワムツの頭頂部に寄生しているチョウモドキ
カワムツの頭頂部に寄生しているチョウモドキ。必ずホストと同じ向き(前向き)に引っ付きます

日本動物分類学会 Species Diversity誌
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2024年8月15日
酷暑!

今年の夏も凄い暑さです!少し前までは、気温が体温と同じくらいになると猛暑日などとニュースになりましたが、この夏は40℃に迫る地域もあるようですね。幸い南紀は近畿地方では最も気温が低いのですが、それでもとんでもない暑さが続いています。先日、暑くてバテバテのマーサ(犬)を連れて川に行ってきました。川が大好きなのは飼い主の影響でしょうね。川に飛び込んでは投げた木の棒をくわえて戻ってくる…を何十回も繰り返します。冷たい川の水でクールダウンした後は、車の後部座席でウトウトしながら帰路につくのでした。

酷暑

酷暑

酷暑

2024年8月12日
カエルが鳴き止んだ夜は...

この時期、夜になると我が家はツチガエルの大合唱で賑やかです。庭には睡蓮鉢や小さな池がいくつもあるので、そこでツチガエルが繁殖しているのです。「ギューギュー」と独特の鳴き声は、家の中にいてもよく聞こえます。しかし、いつも聴こえている鳴き声がぱったりと止まり、静かな夜があります。そんな時は大概、「ヤツ」が庭に来ていることが多いのです。「ヤツ」とはニホンマムシのこと。ツチガエルたちは敏感にマムシの存在をキャッチし、鳴くのを止めます。

ニホンマムシ
庭にやってきた「ヤツ」ニホンマムシ。くびは細く、頭部は三角形。

2024年8月7日
「日本のウナギ」制作後記(4)

高知県の四万十川で取材を行う際は、四万十川財団の神田修さんにお世話になっています。「日本のウナギ」では、四万十川の「はえ縄漁」を中土佐で取材しました。道糸に針と重りを付けた単純な仕掛けは地方によって「置き針」「投げ針」などとも呼ばれ、この地方では複数の針を用いることから「はえ縄」と呼ばれます。各地の川で取材をして興味深かったのは、使われる餌が違うことでした。ミミズやアユは一般的ですが、ここではタカハヤ(コイ科)を使うのです。ウナギが選択的に特定の餌を食べる傾向があるということかもしれません。

「日本のウナギ」制作後記
公益財団法人 四万十川財団の事務局長、神田修さん。四万十川の取材ではいつもお世話になっています。

「日本のウナギ」制作後記
「はえ縄」の餌に使われるタカハヤ。匂いが強いので死んでいるもので問題無いそうです。

「日本のウナギ」制作後記
前日に仕掛けた「はえ縄」を引き上げる漁師の池田さん。見事、良型のウナギが掛かっていました。

2024年8月4日
「日本のウナギ」制作後記(3)

「日本のウナギ」ではウナギの生態に限らず、漁や釣りなどにも多くの紙面を割いています。近年、「天然ウナギ」を釣ることができる都市河川などでの釣りが注目されています。ウナギ釣りを取材するにあたり、実際にウナギ釣りを行っている人にお願いしようと思い、真っ先に頭に浮かんだのは僕の大学時代の先輩、佐藤さんでした。学生の頃から本当によく釣りにご一緒し、釣りが好きすぎて釣り具メーカーに就職されたほどの“釣りキチ”です。現在はヘラブナ専用の「GINKAKU」ブランドの責任者をされています。卒業してから35年以上も経っていますが、今も尚お世話になっている間柄というのも強く縁を感じますね。もっとお互い年を取り、老人になっても肩を並べて釣りをするんだろうなあ、なんて思っています。取材ではありがとうございました!

「日本のウナギ」制作後記
都市河川でブッコミ釣りでウナギを狙っているところ。写真では分かりませんが、こうした釣りでは普通は用いないような高級リールが並んでいます!

「日本のウナギ」制作後記
ウナギ釣りではとても重宝する「ミミズ通し」は自社製品(DAIWA)。優れものです。

2024年8月1日
匠の聚Photo Contest 2024 !

奈良県川上村・匠の聚にて開催されるフォトコンテストでは作品を募集しています。川上村内の自然風景、動植物、人々の暮らしや催事などを撮影した作品を、写真(プリント)部門、インスタグラム部門にて募集します。
川上村は大台ケ原に近く、自然豊かな静かな村。清流が多く避暑地としてもおススメです。是非、川上村へカメラ片手に訪れていただけたらと思います。フォトコンの「匠の聚大賞」の賞金は10万円です!

匠の聚Photo Contest 2024
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2024年7月25日
「日本のウナギ」制作後記(2)

奄美大島の小河川でオオウナギを撮影しました。民家脇の水路のような川に、メーターオーバーのオオウナギが群れています。水中カメラを構えて近寄ると、さすがに暴れて水が濁ります。大きな個体は1.3mほどはあると思いますが、そんなオオウナギがバシャバシャと逃げ回るので、水は泥濁りに…。そこで水中にカメラをセットして、離れた場所からシャッターを押すことができるリモート撮影にしました。水中カメラに興味があるのか近づいてくる個体がいたり、何かに驚いて暴れる個体がいたりして、三脚ごとカメラが移動させられることもありました。オオウナギは魚というより猛獣なのだと感じました。

「日本のウナギ」制作後記

2024年7月20日
「日本のウナギ」制作後記(1)

先日発刊しました「日本のウナギ」の撮影は長期間に及んだため、思いもひとしおです。数回に分けて撮影など本の制作に触れてみたいと思います。
写真は、奄美大島の河川でオオウナギの調査をした後に撮影したもの。右から著者の一人である脇谷量子郎氏、真ん中が私で左が脇谷氏の共同研究者の板倉光氏です。「脇谷氏」と書くとちょっと距離があるように感じますが、実は彼は僕の中学高校時代(桐朋中・高校)生物部の後輩で、中学生の頃にうちに遊びに来ていたのです。今は立派な?おっさんになっていますが、あの頃は水槽の中の魚に目を輝かせていました。まさかまさか、あれから数十年後に一緒に本を作るとは!人の「縁」とは不思議なものですね。これからも何か面白いものを一緒に作ろう!と話し合っています。

「日本のウナギ」制作後記

2024年7月18日
新刊のお知らせです!「日本のウナギ 生態・文化・保全と図鑑」

身近な存在で誰でも知っている魚、ウナギ。夏バテ防止の食べ物としてお馴染みの魚ですが、川などではほとんど見かけることがない不思議な魚です。ウナギに関する書籍などは多いですが、その生態を詳細に捉えた写真・映像はとても少ないのが現状です。10年ほど前からウナギの撮影を積極的に行ってきましたが、ウナギは夜行性であるため撮影は夜の川に潜ることになり苦労しました。
著者の海部健三・脇谷量子郎の両氏は現場でウナギを見続けてきた研究者でフィールドワーカーです。今までになかったウナギの本を作るべくご尽力下さいました。

魚としてのウナギに興味がある方はもちろん、「日本人とウナギ」についての歴史的な背景や「美味しいウナギの特徴」、ウナギの保全など192ページ・オールカラーでグラフィカルに展開しています。「鰻」好きな大切な方へのプレゼントにもおススメです

日本のウナギ 生態・文化・保全と図鑑

2024年7月6日
ヤマガラの子育て

1週間ほど前から、巣立ったばかりのヒナを連れたヤマガラが庭に来るようになりました。ヒナは3羽いるようで、親鳥から餌をもらう時は羽を振るわせお尻を振るような仕草をします。ヒナは親に比べて色が薄いので、一目で分かります。かつてはあまり野鳥にレンズを向けることはなかったのですが、キッカケは庭に来るヤマガラの可愛らしさからでした。毎日、庭にやってくる野鳥を見るのは楽しいですね。

ヤマガラの子育て

2024年7月2日
ヤガラのムニエル

先日のタカノハダイとは別のスーパーで、今度は「ヤガラ」がありました。ヤガラとはトゲウオ目の魚で、写真の種類はアカヤガラです。細長い体型で吻が長く可食部が少ないように見えますが、実はとても美味な魚です。新鮮なものは刺身が絶品です。白身の高級魚として扱われますが地元では安いんです。今回はムニエルにしていただきましたが、ふんわりとした身はとても美味しかったです。

ヤガラ
ぶつ切りにしてパックされたアカヤガラ

ヤガラ
ムニエルにしてみました

2024年6月28日
教科書に「ウナギのいる川 いない川」が掲載されました!

小学校4年生の国語の教科書に「ウナギのいる川 いない川」(ポプラ社)が掲載されました。「読みたい本」の中で紹介されています。誰でも知っているウナギを通して、日本の川の環境について考えて欲しいという思いで作った写真絵本です。一人でも多くの子どもたちが手に取ってくれたら嬉しいです。

4年生で読みたい本

4年生で読みたい本

教育出版 国語4年生 上

2024年6月26日
タカノハダイ

南紀の磯釣りなどで外道とされるタカノハダイ。一般には魚屋さんの店頭には並ばない魚ですが、スーパーの魚コーナーで売られていたので買ってみました。地元のスーパーはさすが南紀!と言わんばかりの魚が並ぶことがあります。アカヤガラ、クロシビカマス、マンボウ、ヘダイ、ミノカサゴ…。食べてみてイマイチ、ということもありますが、試しに食べてみるのも楽しみのひとつ。タカノハダイは煮付けにしましたが、意外とあっさりとしていて美味しかったです。新鮮なものをキチンと処理したものであれば、立派な夕飯の一品になりますね。

タカノハダイ
パックにされたタカノハダイ。うっかり食べてしまい、料理の写真を撮るのを忘れました。

2024年6月20日
湖国と文化

公益財団法人 びわ湖芸術文化財団が発刊している季刊誌「湖国と文化」夏号の表紙に写真を提供させていただきました。写真は琵琶湖から河川に遡上してきたコアユです。この雑誌は滋賀県内すべての中学校〜大学、図書館、文化施設などに届けられています。夏号の特集は琵琶湖の生き物などについての子どもたちの投稿記事もあり、内容の濃い興味深い記事が目を引きました。子どもの教育に力を入れている滋賀県ならではの特集ともいえ、県外の私からするととても羨ましく思えました。

湖国と文化

購入・定期購読などのお問い合わせは以下にて。

〒520-0806
大津市打出浜15-1 びわ湖ホール内
(公財) びわ湖芸術文化財団
TEL 077-523-7146

2024年6月18日
写真展と写真集のご紹介

写真家の中村征夫さんが、富士フイルムフォトサロンにて「海中顔面大博覧会」と題する写真展を開催されます。タイトルの「顔面大博覧会」はどこか人間ぽい、海の中の個性派ぞろいの面々を見事にとらえています。写真展の会期は6月14日〜7月4日。7月1日には「中村征夫アーティストトーク」もあります。
是非、足を運ばれてはいかがでしょうか。
また、写真展に際し、同タイトルの写真集も出版されました。
写真集は写真1点ごとに征夫さんの言葉が添えられていて、絶妙なタイトルに思わず笑ってしまいました。海や生き物が好きな人へのプレゼントにもピッタリな1冊だと思います!

海中顔面大博覧会

写真集 「海中顔面大博覧会」
著者:中村征夫
クレヴィス
定価:3300円(本体3000円)

2024年6月15日
久々の北海道!

先日、北海道東部へ撮影に行きました。道東は実に7年振りでした。取材はうまく行きましたが、今回は飛行機の乗り継ぎが結構大変でした。南紀白浜空港から羽田空港はJAL便ですが、ローカル便なのでゲートの端に到着します。目的地の根室・中標津空港はANA便なので、ターミナル間を移動し、そこから更にバスを使います。センシティブな水中カメラは機内に持ち込んだので、それらを持って、えっちらおっちらと羽田第1ターミナルの端から第2ターミナルの端まで移動したのでした。

空撮
南紀の海岸線はいつ見ても美しいです

空撮
古座川の河口が見えました。航路や天候によりますが、この日はくっきりと見えました

空撮
山形の上空なので、月山でしょうか。コーヒーを飲みながら楽しいひと時を過ごします

2024年6月6日
只今、収録中!

先月末から、ある番組の収録が続いています。守秘義務があるので番組の内容には触れられませんが…。おそらく秋にOAになりますので、詳細が決まりましたらここでお知らせしたいと思います。水中シーンは私が担当しており、梅雨に入る前に綺麗なシーンが録れたのでホッとしているところです。

ロケ1
ロケ2

2024年5月31日
イソヒヨドリの子育て

数日前から庭の周辺が騒がしくなってきました。イソヒヨドリの巣立った幼鳥がウッドデッキにおり、そこに親鳥が餌を運んできているのです。「ジェジェジェ〜」と親が鳴くと、幼鳥は「ヒーヒー」と鳴きながら尾を奮わせ口を開けて餌をねだります。幼鳥は2羽いるようで、親鳥はバッタなどを盛んに与えていました。半月ほどは親鳥の縄張りの中で餌をもらうようなので、しばらくは騒がしくなるのでしょうね。

イソヒヨドリ
オスから餌をもらう幼鳥。

2024年5月25日
ニコンZ9!

先日、ついにミラーレスカメラのニコンZ9を導入しました。一眼レフ機はD5を使っていて、それで十分だと思っていたのですが、Z9を使ってみると異次元の性能でした。特に驚いたのがオートフォーカスの精度です。人はおろか動物、鳥などの「目」を一瞬で感知します。悲しいかな老眼でピントが怪しくなってきたので、ピント合わせをカメラに任せられるのは助かります。もう、頼れるものは頼ろうという気持ちになっています!

Z9のハウジング(プルーフ製)
Z9のハウジング(プルーフ製)

2024年5月8日
今年もガンゼキラン咲く

15年ほど前に、葉が一枚だけの小さなガンゼキランの株をいただきました。庭のケヤキの近くに地植えしたものが育ち、今年も花を咲かせました。キエビネに似た、黄色い花です。ガンゼキランは漢字で「岩石蘭」と書きますが、これはバルブと呼ばれる、栄養や水分を蓄える根元の茎の部分がゴツゴツとして岩石のようであることからと言われています。可憐な花とは対照的な名前だなあと思ったりしています。

ガンゼキラン

2024年5月2日
朝日新聞和歌山版の連載が最終編へ

朝日新聞和歌山版の毎週の連載が始まって10年余りが経ちました。毎回10の生き物や自然、環境などを「〜編」としてまとめ、今回で40編となります。10年という年月と、通算400回の記事に達したことで、一つの区切りにしたいと思いました。これまでの連載を振り返って、思い出深いものや新たな知見があったものなどを、最後に「総集編」として再び取り上げます。

朝日新聞

2024年4月20日
ミカド、現る!

昆虫少年だった私が憧れ続けていたチョウの一つが「ミカドアゲハ」です。東京でもアオスジアゲハはいましたが、ミカドアゲハは図鑑の中で見るだけの存在でした。あれから数十年が経ち、まさか庭先で会えるようになるとは!ミカドアゲハは「トベラ」や「グミ」の花が大好きです。この時期、家の窓越しに見える「トベラ」の花の上を飛び回るミカドアゲハやアオスジアゲハの姿に感動すら覚えます。たまにイシガケチョウも飛んでいて、南紀に住んでいるんだなあと改めて思います。

ミカドアゲハ

2024年4月17日
本のご紹介

写真家の阿部秀樹さんが「海の生き物が魅せる 愛の流儀」(文一総合出版)を出版されました。海の生き物たちの繁殖生態の様子が38種類も決定的写真で紹介されています。誰もがページをめくりながら「こんなシーン、よく撮れたなあ」と口にすると思います。特にウツボの産卵シーンは凄いの一言。写真のクオリティが高く驚きの連続ですが、種類ごとに阿部さんがイメージする曲が掲載されています。クサフグの産卵は以前、阿部さんにお聞きしていましたが、まさかテーマ曲が「天城越え」(石川さゆり)とは!いやはや、阿部さんの豊かな発想に脱帽です。

海の生き物が魅せる 愛の流儀
著者:阿部秀樹
文一総合出版
定価:2200円(税込み)

海の生き物が魅せる愛の流儀

2024年4月11日
ホクリクジュズカケハゼ

先日、福井から持ち帰ったホクリクジュズカケハゼの婚姻色が美しくなりました。ハゼの仲間の多くは繁殖期になるとオスに婚姻色が現れますが、ジュズカケハゼの仲間はメスに現れ派手になります。背びれ、尻びれの他、あごの下も黒くなります。他の個体に威嚇する際には口を開け、これらのひれを大きく広げます。黒色は漆黒のごとく黒くなり、最高潮に達するようです。普段は比較的地味なハゼですが、この時期ばかりは目を見張る美しさです。

ホクリクジュズカケハゼ

2024年4月1日
11年前…

今日は、先代のゴールデンレトリーバー「マリン」の命日です。毎年この日が来ると、14歳で亡くなったマリンを思い出し涙します。11年前、亡くなった日がエイプリルフールだけに、ウソであってほしいと心から思いました。家族を亡くした悲しみは、何年経っても癒えることはありません。
2代目のゴールデンレトリーバー「マーサ」はマリンとは性格が全く違う「不思議さん」ですが、可愛くて仕方ありません。マリン姉さんがいたら叱られることばかりしていますが、天国から見守ってくれているような気がします。

マリン
先代のマリン。写真は6歳の頃。

マリン
17年前、マリンと共に。あの頃は髪が黒く若かったですね。

2024年3月27日
マーサが10歳になりました!

10歳の誕生日は、やっぱり川で泳ぎたいようなので川に連れていきました。雨で増水していましたが、お構いなく飛び込んで泳ぎます。木の枝を川に投げると、泳いで行って口にくわえて戻ってきます。若い時はそれを10回でも20回でも繰り返していましたが、さすがに10歳ともなると、以前のようにはいかない様子。大型犬の10歳は人でいえば、もう立派なシニアですから。でも、泳ぐマーサを見ていると僕も頑張って潜るゾ!という気持ちになってきます。季節的にもそろそろ水中撮影シーズンに突入です。

マーサ

マーサ

2024年3月19日
ナガレホトケドジョウ(嶺北集団)

先日、福井県にナガレホトケドジョウの撮影に行きました。日本淡水魚類愛護会の西村氏と佐々木氏の二人に案内していただきました。このナガレホトケドジョウは嶺北集団と呼ばれ、見た目からしてナガレホトケドジョウとは顔つきが異なります。西村氏らはこの集団の調査を続けていて、雪のないこのタイミングがベストということで案内をお願いしました。生息河川は杉林の中を流れる小さな谷ですが、個体数があまりにも少なくてなかなか見つかりません。夜になってから山に入りますが、1本目の谷では500メートル以上を探索して1匹のみ。2本目の谷でも500メートルほど探してようやく4匹…、見つけてもライトの光で逃げてしまうので撮影は容易ではありません。谷間を胴長で歩くので疲労で足が上がらなくなり、ヘッドライトのバッテリーは無くなり、おまけに大量のスギの花粉を浴びながら、気がつけば日が変わっていました…。
単純に距離から割り出すと、100メートルに1匹いるかいないか、という生息密度です。これで再生産が行われているのか疑問になるほどです。最終的には何とか撮影は出来ましたが、久々の消耗戦となりました。彼らがいなければ全く歯が立たなかったと思います。西村・佐々木両氏に感謝します。

ナガレホトケドジョウ
ナガレホトケドジョウ(嶺北集団)

ナガレホトケドジョウ
別の場所で撮影したホクリクジュズカケハゼ(福井県)。
婚姻色が発現していました。

今回の生息地を見て思ったことがあります。それは、本種が谷の流れの中よりも、木の枝などで堰き止められてできた、いわゆる「ウェッジダム」にいることが多かったことです。ウェッジダムの上流側には土砂が溜まり、流れる水は伏流して下流に流れる構造になります。河川規模は違いますが、写真は北海道の天塩川水系で撮影したウェッジダムです。上流側の砂利が堆積した場所ではサクラマスやシベリアヤツメなどが産卵していました。こうした場所に産卵することで、産着卵は伏流水に引き込まれて沈下します。ナガレホトケドジョウもこの場所で産卵するとしたら、伏流水を利用しているのかもしれません。生態は謎に包まれていますが…。

ナガレホトケドジョウ
天塩川水系のウェッジダム。

2024年3月7日
花粉の季節!

今年は花の開花時期が10日以上早くなり、2月下旬からフィールドに出る機会が増えました。そんな年はスギの花粉が飛来するのも早いんですよね…。先月末、雨が降る日は花粉が飛ばないハズと過信してマスクを外していたところ、どうやら大量に曝露してしまったようです。翌日は体温が上がったり下がったりで身体がだるくなり、くしゃみが止まらず大変でした。そしてそれは翌日も、その翌日も続き、家の中でぐったりして暮らすハメに。
加齢による免疫力の低下なのか、何とも情けないですね。大好きで引っ越した和歌山ですが、この時期だけは…。

花粉
車のボンネットに模様ができました…。スギの花粉?または黄砂でしょうか?

2024年3月1日
番組出演のお知らせ(NHK総合・近畿ブロック)

能登半島地震の影響により放送が延期になっていた番組がOAとなります。NHK総合チャンネルですが、近畿ブロックのみとのことですので、近畿以外の方は申し訳ありません。
8Kで収録した番組をダウンコンバートして総合チャンネルで放送するもので、私は古座川の清流にてオオサンショウウオを潜って探します。ご視聴いただければと思います。

番組名 8Kダイビングトリップ 水の中の“宇宙”紀伊半島・大阪湾を潜る
放送日 NHK総合 3月9日(土) 午前10:05〜11:04(近畿ブロック)

8Kダイビングトリップ
生息河川にて。(P/Ueda)

8Kダイビングトリップ
古座川のオオサンショウウオ

2024年2月20日
銚子川調査

先日、久しぶりに銚子川の調査を行いました。皆で集まって行う調査は2016年から始めたので、今年で9年目となります。同じ場所を定期的に見ていくことはとても大事なので、できる限り続けたいと思っています。しかし、今回の調査ではとても残念で気がかりなことがありました。それは、あれだけ豊富に流れていた伏流水がほとんど流れていなかったことです。スコップで河川敷を掘ると、伏流水が流れている場合は直ぐに水は透明になるのですが、どこを掘っても水は濁ったまま…。伏流水が見つからないのです。砂利の間には泥が溜まっていて、この9年間の中で最も悲しい状況になっていました。地上を流れる川や伏流水は、人でいえば血管のようなものだと思うのです。健全に伏流水が流れる銚子川に戻って欲しいと願うばかりです。

銚子川調査
河川敷をスコップで掘ります。

銚子川調査
スコップで掘った後の水は濁ったままです。水が流れていない証拠です。

銚子川調査
僅かながら伏流水を見つけ、皆で掘っています。

銚子川調査
伏流水がある場所では、地下水性のイドミミズハゼが見つかりました。

2024年1月26日
朝日新聞和歌山版の連載

毎週水曜日に連載させていただいている朝日新聞和歌山版・デジタル版の「和歌山ネイチャーフォト」は、「哺乳類編」が始まりました。脊椎動物の中で最も進化しているグループといわれる哺乳類。県下で撮影した哺乳類10種類を取り上げていきます。第1回はアカネズミです。

アカネズミ

2024年1月23日
我が家の長生きさん

新年になったこともあり、改めて我が家の生き物たちの年齢が気になり調べてみました。毎日接しているので気にしていなかったけれど、意外や意外!長生きさんでしたのでご紹介したいと思います。

我が家の長生きさん
(1)烏骨鶏の黒ちゃん 15歳。
卵を産んでくれたのは3歳くらいまでで、それからは卵を産まないですね。この子のほか2羽のニワトリ(ボリスブラウン)がおり、計3羽が鶏舎で暮らしています。真っ黒い鳥は夜に見えづらく、居なくなったかと探すこともしばしば。ニワトリのように人に馴れないところが烏骨鶏なのかと思っています。

我が家の長生きさん
(2)ニホンスッポンのすぽぽ 何と二十歳! 20歳!
20年前、紀の川で友人が捕まえた500円硬貨ほどの大きさだったスッポンの子がすぽぽ君(♂)。「ダーウィンが来た!」に出演したこともあるモデル・スッポンです。人間なら生まれた子が成人式、と思うと何だか凄いですね。我が家にはほかにも「月見ちゃん(♀)」、ポンコ(子ども・不明)と2匹のスッポンがいます。

2024年1月19日
番組放送のお知らせ「さわやか自然百景」

さわかや自然百景「紀伊半島 古座川」NHK
1月28日(日)午前7:45〜7:59 総合
2月3日(土)午前6:30〜6:44 BSプレミアム4K

再放送
2月5日(月)午前4:00〜4:14 総合
2月7日(水)午後3:40〜3:54 総合
2月9日(金)午後0:45〜0:59 BSプレミアム4K

*清らかな水や射し込む光などの色の再現性は4Kならではの映像だと思います。4K放送をご視聴いただける環境であれば、是非、4Kでお楽しみいただければと思います。

昨年、取材をしていたNHK「さわやか自然百景」が28日にOAとなります(NHK総合なので緊急報道等により番組変更の可能性があります)。古座川の美しい風景を、アユの水中映像とともに紹介しています。秋、産卵のために川を下ったアユは様々な生き物に狙われます。空からはミサゴが飛び込み、川岸ではサギなどが待ち構えます。また、このたび海から上ってきたクロダイがアユの群れを襲うシーンの撮影に成功しました。淡水域でクロダイがアユを襲うシーンは貴重な映像だと思います。すべての映像は4Kで収録しており、私は水中撮影を担当しました。短い番組ではありますが、粘り強く撮影した古座川の番組を是非、ご視聴いただければと思います。

古座川
古座川の落ちアユ

古座川
落ちアユを襲うクロダイの水中シーン。襲う瞬間は体色が変化するようです。

2024年1月17日
初釣り!

2024年の初釣りに行きました。いつものようにAさんの船に乗船させていただき、狙いは高級魚のシロアマダイです。早朝は珍しく氷点下まで気温が下がり魚の活性も今一つ…。仕事の都合で3時間半の勝負でしたが、10時を回ってから水面でサゴシ(サワラ)が跳ねはじめました。シラスかアユの子を追ってボイルしているようでした。船で接近してジグを投げ込むと、サゴシが追ってくるのが見えます。水面近くで沸き上がる魚を狙って釣る、いわゆる「ナブラ撃ち」で数匹のサゴシを釣り上げました。シロアマダイも釣れたので、初釣りは上々の出来!。今年は大物に出会えるか?乞うご期待。

釣り
良いサイズのシロアマダイです。ムニエル、塩焼き、どんな料理でも美味しい魚です。

釣り
ジグを使った「ナブラ撃ち」で釣り上げたサゴシ。この魚も美味しい魚ですね。

2024年1月12日
1月8日(月)に放送予定でした「8Kダイビングトリップ 水の中の“宇宙”紀伊半島・大阪湾を潜る」(NHK総合・近畿ブロック)は能登半島地震の関連番組により変更がありました。OAの情報が入り次第、ここでお伝えしたいと思います。しばらくお待ちいただだければと思います。

番組のご紹介

ナイトネイチャーカメラマンの竹本宗一郎さんが撮影したNHKの番組がOAとなります。人の目では決して見ることができない僅かな光を8Kカメラと最新の超高感度カメラで挑んだそうです。竹本さんなので、きっと妥協のない素晴らしい映像なのだと思います。是非、ご覧いただければと思います。

●フロンティア 第5回『発光生物 進化の謎』
光るキノコ、ホタルの群舞。暗闇を幻想的な光で照らす「発光生物」は、なぜ美しい光を放つのか?最新研究と超高感度カメラの映像から、進化のドラマに迫る。

1/18(木)22:00〜 BS4K
1/24(水)21:00〜 BS

https://www.nhk.jp/p/frontiers/ts/PM34JL2L14/episode/te/NG2QJQL38Z/

2024年1月1日
謹賀新年

あけましておめでとうございます!
今年も本の出版、テレビ番組の制作などのお仕事が決まっており、ありがたいと思っています。やりたいことは沢山あるのですが、優先順序を考えて行動しなくては、と自分に言い聞かせています。つい楽しいことに走りがちなので…。
今年もよろしくお願い致します。

大塔山系の朝陽
和歌山・大塔山系の朝陽です。

番組出演のお知らせ(NHK総合・近畿ブロック)
1月8日(月)午前10:05〜11:04 NHK総合「8Kダイビングトリップ 水の中の“宇宙”紀伊半島・大阪湾を潜る」の放送があります(ただし、今回は近畿地方のみ)。8Kで収録した番組をダウンコンバートして総合チャンネルで放送するものです。私は古座川の清流にてオオサンショウウオを潜って探します。ご視聴いただければと思います。
*NHKプラスでは放送の1週間後から視聴可能とのことです。

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